■足首の痛み
★代表的な「ねんざ」は軽視されがちだが、特にスポーツにおいては繰り返しの受傷(クセになること)避けるために初期治療・再発予防トレーニングが重要。
1. 足首の構造
脛骨・腓骨・距骨・踵骨という4つの骨で構成される。これらの関節が細やかに連動することで、多方向への動きが可能となっている。
2.足首の痛み
(疑う状況の一例)
ボールを蹴るときに足首に痛みが生じる。
→三角骨障害
バレエやサッカーなどのスポーツで「底屈(ていくつ:つま先を下に向ける動作)」を強制されると痛みが生じる。スポーツ等ではテーピング処置を行うこともあるが、痛みが強く動作に制限がある場合は手術を要することもある。
(疑う状況の一例)
いわゆる「捻挫(ねんざ)」をした後、次第に内出血が発生し、腫れが強くなる。外くるぶしの周りを押すと痛い。
→捻挫(前距腓靭帯損傷)
足首の「底屈(ていくつ:つま先を下に向ける動作)」と「内反(ないはん:内側に捻る動作)」を強制されると受傷しやすい。痛めた後に同じ動作を繰り返すと損傷が重度化しやすい。重症度によって第1度~3度に分類され、重症であれば手術適応となる場合もある。
(疑う状況の一例)
いわゆる「捻挫(ねんざ)」により、長期にわたって痛みが続いている。
→捻挫(距骨軟骨損傷)
明らかな外傷があるものを骨軟骨骨折、外傷歴がないものを離断性骨軟骨炎と呼び、両者を合わせて骨軟骨損傷という。足首の捻挫によって生じることが多い。損傷した軟骨への血行が途絶えるため、骨癒合が得られにくい。
(疑う状況の一例)
スポーツ動作における左右への足部切り返しや歩行時などに足部の外側に痛みを生じる。外くるぶしの後方で腱の脱臼感が出現している。
→腓骨筋腱脱臼
背屈(はいくつ:つま先を上に上げる動作)をする際に、腓骨筋腱に強い収縮力が生じると、腱鞘と呼ばれるバンドのような組織が障害され、外くるぶし周囲で腱脱臼が生じる。リハビリテーションにて足関節の正しい動きを身につけることで改善を目指す。足関節をギプスで4-6週間固定したり、腱鞘の縫合等の手術を選択することもある。
(疑う状況の一例)
足関節を背屈(はいくつ:つま先を強く上げる動作)した時、足関節前方に痛みが生じる。
→足関節前方インピンジメント症候群
背屈(はいくつ:つま先を上げる動作)を行う際、足関節前方で骨棘が衝突したり、靭帯などの軟部組織が関節内に挟み込まれて痛みを生じる。また、関節可動域が制限されることで、足首を動かしにくくなる場合もある。サッカー選手ではボールが足関節前方に衝突することによる軟骨損傷で痛みが生じることもある。理学療法や装具療法などの保存療法や、原因組織を切除する手術を選択する場合がある。
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