■腰の痛み
★腰そのものの痛みに加え、神経症状(脚のしびれ・力の入りにくさ等)の有無が重症度判定のポイント。「不適切な姿勢・動作を続けること」が重症化に繋がるため、早期発見・早期治療が重要。
1.腰の構造
背骨(脊柱)は「椎骨」と「椎間板」から成り、骨盤に連結する。背骨に直接付着する筋肉が固定に働き、体表に近い筋肉が動作に働く。これらの筋肉が上手く協調することが障害予防に直結する。
2.腰のケガ
(疑う状況の一例)
腰の筋肉に張り・圧痛がある。運動をすると腰が痛い。腰の張りとともに、脚がしびれる。
→筋筋膜性腰痛症
筋肉や筋膜が原因で発症している腰痛を総称し「筋筋膜性腰痛症」という。スポーツや仕事等において、無理な姿勢(屈伸・ひねり)や衝撃によって、背中から腰部にかけて過剰な負担がかかった場合に発症しやすい。硬くなった筋肉が神経を圧迫し、脚のしびれや痛みを伴うこともある。慢性の場合は主に使い過ぎ(オーバーユース)による蓄積疲労が原因。ストレッチ等のセルフケアや、リハビリによる筋肉の柔軟性向上・筋力増強が必要。
(疑う状況の一例)
腰臀部痛、および下肢の痺れ感がある。
→腰椎椎間板ヘルニア
「腰椎(背骨の腰部分)」と「椎間板(腰椎の間のクッション)」に強い負荷がかかり、椎間板が飛び出すことで神経炎症を起こし、腰臀部痛・しびれなどの症状を引き起こす。重いものを持ち上げる・中腰の姿勢で腰に衝撃がかかることなどがきっかけとなることがある。リハビリにより身体の姿勢を整え、腰の負担を取り除く動作を身につけることが除痛に有効。早期復帰を望む場合や、疼痛が改善しない場合には手術適応となることもある。
(疑う状況の一例)
腰痛。スポーツをしている人に多い。痛みの出る姿勢や体勢が決まっている(上体を後ろに反らせる動作をすると痛みが強くなることが多い)。
→腰椎分離症
過度のスポーツや繰り返す腰部の回旋(ひねる動き)などの負荷によって、腰椎(背骨の腰部分)の後方が疲労骨折(分離)する。主に10代の成長期に見られる。初期段階であればコルセットなどで固定し骨癒合が望めるが、終末期になると骨癒合が得られないことがある。また、骨癒合が得られず、椎体が前方にすべった場合(辷り症)には手術を要することもある。早期発見、治療が非常に重要である。
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