■肩の痛み

★重症化しやすいため、手術を回避するには痛みや違和感が出た直後に治療を開始することが必要。繰り返しの受傷が起こりやすく、再発予防リハビリテーションの重要性が高い。



1.肩の構造

肩関節は上腕骨(腕の骨)・肩甲骨・鎖骨で構成され、他の関節に比べ不安定であることが特徴である。肩甲骨に付着する「腱板」は肩周りのインナーマッスルとされ、関節がブレないように固定する時に働く。



2.肩のケガ



(疑う状況の例)

洗濯物を干すときや、エプロンの紐を結ぶときに痛みや動きにくさがある。夜寝ているときに肩の痛みで目覚める。


→肩関節周囲炎

…別名:四十肩、五十肩、凍結肩


特に誘因無く肩の痛みが現れ、肩を上げられないなど可動域制限を伴う。初期症状は痛みで、痛みにより運動が制限される。それとともに安静時痛、夜間痛も出現し徐々に拘縮が進行し、長期間動きが制限されると凍結肩となる。


(疑う状況の例)

スポーツのコンタクトプレーなどで、特に腕がうしろ方向にひねられた時に肩関節周囲に痛みが出る。


→肩関節脱臼/反復性肩関節(亜)脱臼


接触プレーや転倒などで腕をひねられ、上腕骨が関節から抜けた状態。受傷後の早期整復が重要であるため、速やかに受診する必要がある。自然に整復されたとしても「反復性肩関節(亜)脱臼」となり、手術適応となることがあるため、やはり受傷初期の治療が必要。


(疑う状況の例)

手を挙げるときに肩に痛みが走る。投球やラケットのスマッシュ、バレーボールのサーブやアタックの動きで肩が痛む。


→腱板断裂、腱板損傷

---場所:図①②③④


腱板と呼ばれる4つの筋に損傷を起こしている状態。投球動作やラケットを使用する動作を繰り返すことで腱板に微小な断裂が生じ、それが積み重なることで重症化していく。また、強い打撲などの外傷によって発症することもある。